関税・税金・決済管理

ebayのヨーロッパの関税を変える2026年7月の3ユーロ課税と新常識

ヨーロッパ地図と電卓で関税を考えながら梱包するセラーのイラスト
こんにちは。eBay Export Chartbook運営者のJです。

ebayのヨーロッパの関税って、気になりますよね。

 

ヨーロッパから注文が入った瞬間は、うれしいですよね。

でも同時に「バイヤーに関税やVATで迷惑をかけないかな」と不安になる方も多いはずです。

実は私も最初の頃、ドイツ宛ての荷物で税金の仕組みが分からず、発送ボタンを押す手が止まりました。

 

結論から言うと、ヨーロッパ向けの税金はかなりの部分をeBayが自動で処理してくれます。

EUの150ユーロルールやイギリスの135ポンドルールを押さえれば、必要以上に怖がることはないんです。

ただし、2026年7月からEUで「3ユーロ関税」という新しい仕組みが始まります。

 

この記事では、関税とVATの違いから、IOSS番号の電子連携、通関手数料や二重請求の対処まで順番に整理します。

国別の分かれ目さえ覚えれば、ヨーロッパ販売はもっと安心して伸ばせますよ。

 

この記事のポイント

  • 関税とVATの違いと、eBayが自動処理してくれる範囲がわかる
  • EU150ユーロ・英国135ポンドなど国別の分かれ目が一目でわかる
  • 2026年7月からのEU「3ユーロ関税」にいち早く備えられる
  • 二重課税や受取拒否トラブルの防ぎ方が計算例つきでわかる

 

ebayのヨーロッパの関税とVATの仕組みがわかる基礎知識

実は、ヨーロッパ向け販売でつまずく最大の原因は、税金が1種類だと思い込んでしまうことなんです。

けれども実際には、関税とVATという別々の税金があり、国によってルールも分かれます。

まずは全体の地図を頭に入れて、どこで何が起きるのかを整理していきましょう。

 

関税とVATの違いをまず整理

天秤と課税対象品で関税とVATの違いを整理するイラスト

結論から言うと、VAT(付加価値税=日本の消費税にあたる税金)はほぼ全ての商品にかかります。

一方、関税は品目や金額によって、かかったりかからなかったりするんです。

つまり、この2つは目的も計算方法もまったく別物です。

 

VATは消費に広くかかる税金で、ヨーロッパでは国ごとに税率が違います。

たとえばドイツの標準税率は19%で、EU全体ではおおむね17〜27%の幅があります(🟡税率は国・時期で変動)。

その関税は、自国の産業を守るための税金です。

そして品目を分類するHSコード(世界共通の商品分類番号)と原産地によって、税率が決まります。

 

そしてeBayが買い手から自動で集めてくれるのは、主にVATのほうです。

関税のほうは、原則としてバイヤー(買い手)が荷物の受け取り時に支払います。

そのため、セラー(売り手)が立て替える必要はありません。

つまり「eBayが税金を取っているのに、また請求が来た」というケースの多くは、関税や手数料という別物なんです。

 

加えて、もう1つ覚えておきたいのが税金の計算ベースです。

eBayが集めるVATは、商品代金だけでなく送料にも同じ税率でかかります。

さらに輸入時のVATは、商品代と送料に関税などを足した金額がベースになります(🟡範囲は国で変動)。

そのため「商品が安いから税金も少ないはず」という思い込みは、認識ズレを生みやすいんです。

 

また、酒類やたばこのような品目には物品税という別の税金もあり、これらは特別扱いになります。

バイヤーの最終負担は「VAT・関税・配送会社の手数料」の3層で考えると、全体像がすっきり見えてきます。

 

項目 VAT(付加価値税) 関税
役割 消費に広くかかる税 自国の産業を守る税
対象 ほぼ全ての輸入品 品目・金額による
決まり方 配送先の国の税率 HSコードと原産地
eBayの自動徴収 あり(条件つき) 原則なし・買い手が負担
率の目安 EU約17〜27%(🟡国で変動) 0%〜品目しだい

 

確かに、最初は用語だけでお腹いっぱいになりますよね。

けれども、この記事で扱う分かれ目は「VATか関税か」と「いくらの荷物か」の2つだけです。

ですから、ここさえ押さえれば、残りは国別の当てはめ作業になります。

 

EUの150ユーロルールとIOSSの基本

150ユーロのゲートとEUの星でIOSSの基本を表すイラスト

EU向けの基本は「150ユーロ」という分かれ目です。

2021年7月1日のEU改正で22ユーロ以下の免税が廃止され、すべての輸入品にVATがかかるようになりました。

 

そのかわり、商品価額150ユーロ以下の注文では、eBayがIOSSという制度を使います。

IOSS(輸入ワンストップショップ)は、VATをまとめて納める簡素化の仕組みです。

そして購入時にバイヤーからVATを徴収し、まとめて納税してくれます。

この仕組みでは、eBayが「みなし供給者」として納税義務を引き受ける形です。

そのため、バイヤーはチェックアウトでVAT込みの金額を払い、受け取り時の追加請求を避けやすくなります。

また、支払ったVATの内訳は注文履歴の請求書で確認できます。

 

ここで大事なのは、150ユーロの判定が荷物単位の商品価額で行われる点です。

送料を別建てで表示している場合、判定額には送料を含めないのが基本です。

また、eBayがVATを徴収した注文では、配送会社やセラーが重ねてVATを徴収すべきではないとされています。

 

さらに、2021年の改正以降は、EUへ入るすべての荷物に電子的な輸入申告が必要になっています。

低額の荷物には簡易な申告データで済む仕組みも用意されていて、IOSSはその流れの中心にある制度です。

 

一方、150ユーロを超える注文では、eBayは原則VATを徴収しません。

この場合、バイヤーが荷物の到着時にVATと関税を支払う流れになります。

ちなみに、バイヤーが事業者としてEUのVAT番号を登録している場合や、酒類などの物品税品目もeBay徴収の対象外です。

 

私の場合、この境目をいつも意識しています。

たとえばギリギリ超える価格帯の商品では、説明欄に「到着時に税金がかかる場合がある」と一言添えています。

まずは自分の販売価格帯がどちら側かを、把握するところから始めてみてください。

それだけでも、バイヤーの心構えがまったく違ってきますよ。

 

2026年7月から始まる3ユーロ関税の中身

ここが今回いちばんお伝えしたい変更点です。

これまで「150ユーロ以下は関税免除」だったEUのルールが、2026年6月30日で終わります。

 

2026年7月1日からは、150ユーロ以下の小包にも品目カテゴリごとに3ユーロの関税がかかります。

ポイントは「荷物ごと」ではなく「品目カテゴリごと」という数え方です。

たとえば絹のブラウス1枚とウールのブラウス2枚を同梱すると、関税分類上は2カテゴリなので関税は6ユーロになります。

 

背景には、海外からEUへ届く低額小包の急増があります。

つまり、少額品だけ関税が免除される状態が「EU域内の事業者に不公平」と判断されたんです。

そこで、関税をきちんと集める仕組みへ切り替わることになりました。

 

この仕組みは2028年7月1日までの暫定措置で、その後はEUの新しい通関システムに引き継がれる予定です。

制度の正式決定はEU理事会の公式発表(2026年2月)でご確認ください。

 

セラーへの影響はどうでしょうか。

3ユーロ自体は大きな額ではありませんが、多品目を同梱するスタイルだと関税額が積み上がります。

たとえば種類の違う小物を3カテゴリ分セットにすると、それだけで9ユーロの関税になる計算です。

そのため、2026年7月以降のEU向けは「同梱の品目数」も意識した発送設計が新常識になりそうです。

 

EU低額輸入ルールの変化(時系列)

2021年7月1日 22ユーロ以下の免税を廃止。すべての輸入品にVATがかかり、IOSSが始まる
2026年6月30日 150ユーロ以下の関税免除の最終日(ここまでは関税ゼロ)
2026年7月1日 150ユーロ以下の小包に、品目カテゴリごと3ユーロの関税がスタート
2028年7月1日 3ユーロ関税の終了予定(その後はEUの新通関システムへ)

 

ただし、注意点もあります。

この3ユーロ関税をeBayがどう表示・徴収するかは、記事執筆時点で公式発表が確認できていません。

また、EUはハンドリングフィー(取扱手数料)の導入も検討中です。

とはいえ金額と適用時期は未確定です(🟡今後の発表で変わる可能性あり)。

当面はeBayとEUの発表を定期的に確認し、価格や同梱方針の見直しを準備しておきましょう。

最新情報は必ずeBayとEUの公式サイトでご確認ください。

 

イギリス向けは135ポンドが分かれ目

135ポンドの門と英国の風景でイギリス向けの分かれ目を表すイラスト

イギリスはEUを離脱しているため、ルールがEUとは別です。

分かれ目は「135ポンド」です。

これは1つの荷物(コンシグメント)に含まれる、商品の合計額で判定します。

 

135ポンド以下なら、eBayのようなオンラインマーケットプレイスが販売時点でVATを徴収して納税します。

つまりEUの150ユーロルールと同じく、バイヤーは購入時に払い終えている状態です。

詳しい仕組みは英国政府(GOV.UK)の公式ガイダンスで公開されています。

 

135ポンドを超えると通常の輸入ルールに戻り、バイヤーが到着時に輸入VATと関税を支払います。

また、送料を別建てで表示していれば、135ポンドの判定には送料を含めないのが基本です。

関税については、整理はシンプルです。

物品税のかからない一般的な商品なら、135ポンド以下は関税がかかりません。

 

同梱にも注意してください。

というのも、1つの荷物の合計額で判定されるため、まとめると135ポンドを超えることがあるからです。

超えた瞬間にeBay徴収から到着時徴収へ切り替わるので、バイヤーへの案内の仕方も変わってきます。

ちなみに、北アイルランドは一部の取引で別ルールが残る地域です(🟡取引条件により扱いが異なる場合があります)。

 

もう1つ、ギフトの扱いには注意が必要です。

39ポンド以下のギフト免税は、個人から個人への贈り物だけが対象です。

そのため、eBayで購入して相手に直送した商品は、ギフト扱いになりません。

つまり「ギフトと書いて送って」と頼まれても、応じると虚偽申告になる恐れがあるんです。

ギフトとして送ってほしいと頼まれて迷った経験のある方は、ebayでギフト発送する時の関税の注意点もあわせてご確認ください。

 

フランス・ノルウェー・スイスの例外ルール

国別の例外も押さえておきましょう。

実は、フランス向けだけは150ユーロを超えてもeBayがVATを徴収します。

eBay公式も「フランス向けは金額の上下を問わず徴収・納税する」と明示しています。

そのため、見落としやすい注意ポイントです(🟡対象範囲の詳細=モナコ・コルシカの扱いは要確認)。

加えて高額品でもVATが前払いになるぶん、フランスのバイヤーは到着時の支払いが軽くなります。

 

次に、ノルウェーはEU非加盟のため、VOEC(ノルウェーの越境EC向けVAT徴収制度)という独自の仕組みを使います。

3,000ノルウェークローネ以下の商品は、eBayが購入時にVATを徴収します。

一方、それを超えるとバイヤーが輸入時に支払う、通常の流れになります。

このときセラーは、eBayのVOEC番号を荷物と配送会社の両方へ伝えましょう。

 

さらに、スイス・リヒテンシュタイン・ビュージンゲンは「スイス関税領域」と呼ばれます。

ここでもeBayが一定の注文でVATを徴収し、輸入者として通関する場合があります。

eBayが輸入者になる注文なら、バイヤーは購入時の支払いで完結しやすくなります(🟡条件はeBayの案内で確認)。

一方で、スイス向けの郵便小包では、現地の郵便会社が通関を代行します。

そして手数料を受取人に請求する構造も知られています(🟡手数料額は時期・サービスで変動)。

 

このように、同じヨーロッパでも国ごとに仕組みも閾値もバラバラです。

 

国・地域 分かれ目 eBayが購入時に徴収 超えたとき
EU 150ユーロ 150ユーロ以下 到着時にVAT+関税
イギリス 135ポンド 135ポンド以下 到着時にVAT+関税
フランス 金額不問の例外 すべての注文(🟡範囲は要確認)
ノルウェー 3,000NOK 3,000NOK以下 国境で徴収
スイス関税領域 特定の注文 一定の場合 郵便・配送会社が徴収

 

だからこそ「どの国に売れたか」を最初に確認する習慣が、トラブル予防の近道になります。

 

シェンゲン圏でも関税ルールは別物

「シェンゲン圏だから税金も共通でしょ」という誤解は危険です。

シェンゲンは国境検査なしで人が行き来できるようにする枠組みで、関税やVATの制度ではありません。

 

たとえばノルウェーやスイスはシェンゲンに参加していますが、EUの関税同盟には入っていません。

両国を含むEFTA(欧州自由貿易連合)の国々も、立場は同じです。

EUと深い関係にありながら、関税同盟には入っていません。

そのため、EU向けの150ユーロルールやIOSSは、そのまま当てはめられません。

前の見出しで見たとおり、ノルウェーはVOEC、スイスは独自の徴収方式という別ルートです。

 

逆に、EU加盟国の中にも本土と扱いが異なる地域があります。

たとえばカナリア諸島は、EU加盟国でありながらVATや関税の扱いが特別です(🟡詳細は要確認)。

ですから、実務では「国名」ではなく「荷物が到着する国・地域の制度」で判定するクセをつけましょう。

 

覚え方はシンプルで、「シェンゲン=人の移動」「関税同盟=モノの税金」と分けるだけです。

ニュースで「ヨーロッパ」とひとくくりにされることもあります。

けれども税金の世界では、EU・イギリス・その他の国で必ず分けて考えましょう。

 

ヨーロッパ向けの関税トラブルを根本から避けたい方は、DDP/DDU配送の仕組みとCPaSS・SpeedPAKの使い方も押さえておくと安心です。

あわせて読みたい
ebayのddpとdduで赤字を回避する関税対応の盲点5つ

こんにちは。eBay Export Chartbook運営者のJです。 ebayのddpとddu、気になりますよね。   2025年10月17日からアメリカ向けの発送ルールが大きく変わりまし ...

続きを見る

ebayのヨーロッパの関税トラブルを防ぐ実務と対処法

仕組みが分かったら、次はお金と実務の話です。

バイヤーが実際にいくら払うのか、セラーは何をすべきかを具体的に見ていきます。

ここを押さえると、関税まわりのクレームの大半は事前に防げますよ。

 

バイヤー負担はいくら?3つの計算例

電卓とメモでバイヤー負担の計算例を確かめるイラスト

まず、数字で見ると一気にイメージが湧きます。

あくまで一般的な目安として、3つの例で考えてみましょう(🟡実際の税率・関税率は品目や原産地で変わります)。

 

例1はドイツ向けで、商品100ユーロ+送料20ユーロの場合です。

150ユーロ以下なのでeBayが購入時にVATを徴収します。

ドイツの標準VAT税率19%を、送料込みの120ユーロに当てはめます。

その結果、VATは22.80ユーロで、支払い合計は142.80ユーロになります。

2026年6月30日までは関税免除の範囲なので、関税は0ユーロです。

面白いのは、150ユーロの判定は商品価額の100ユーロなのに、VATは送料込みで計算される点です。

eBayが集めるVATは送料にも同じ税率でかかると、eBay公式でも案内されています。

「判定の金額」と「課税の金額」は別物と覚えておくと混乱しません。

 

次に、例2はイギリス向けで、商品120ポンド+送料15ポンドの場合です。

商品価額が135ポンド以下なので、eBayが販売時点で20%のVATを徴収します。

送料込み135ポンドに20%を当てはめるとVATは27ポンドで、支払い合計は162ポンドです。

物品税のかからない商品なら、関税はかかりません。

 

最後に、例3はイギリス向けで135ポンドを超える、商品200ポンド+送料20ポンドの場合です。

仮に関税率を4%とすると、関税は約8.80ポンドです。

輸入VATは関税を足した約228.80ポンドに20%がかかり、約45.76ポンドになります。

さらに郵便の取扱手数料8ポンドが加わると、到着時の追加負担は合計約62.56ポンドです。

 

例1|ドイツ向け(150ユーロ以下)

商品100ユーロ+送料20ユーロ

  • VAT:22.80ユーロ(19%・購入時にeBayが徴収)
  • 関税:0ユーロ(2026年6月30日まで免除)

バイヤー支払い合計:約142.80ユーロ

例2|イギリス向け(135ポンド以下)

商品120ポンド+送料15ポンド

  • VAT:27ポンド(20%・購入時にeBayが徴収)
  • 関税:なし(物品税のかからない一般品)

バイヤー支払い合計:約162ポンド

例3|イギリス向け(135ポンド超)

商品200ポンド+送料20ポンド(🟡関税率は4%と仮定)

  • 関税:約8.80ポンド
  • 輸入VAT:約45.76ポンド(20%)
  • 郵便の取扱手数料:8ポンド

到着時の追加負担:約62.56ポンド

 

計算の順序も覚えておくと便利です。

まず「商品代+送料」をベースに、関税が計算されます。

次にその合計にVATがかかり、最後に配送会社の手数料が乗ります。

つまり、後ろの段階ほど金額が膨らみやすい構造なんです。

 

このように、135ポンドや150ユーロを超えるかどうかで、バイヤー体験は大きく変わります。

請求が届くタイミングが気になる方は、ebayの関税をいつ払うかの配送会社別タイミングもあわせてご確認ください。

正確な金額は品目・原産地・最新税率で変わるため、最終的には公式情報での確認をお願いします。

 

関税ゼロでも請求される通関手数料の正体

「関税がかからない=追加費用ゼロ」ではありません。

ここを誤解していると、バイヤーからの「想定外の請求が来た」というクレームにつながります。

 

正体は、郵便会社や配送会社が通関を代行するときのサービス手数料です。

これは税金ではないので、関税がゼロでも発生することがあります。

たとえばイギリスのRoyal Mailは、税金が発生した郵便物に8ポンドの取扱手数料を設定しています。

少額の荷物だと、税金そのものより手数料のほうが高くつく逆転現象も起こり得るわけです。

 

ほかにも、オランダやアイルランドの郵便、DHL・UPSなどのクーリエ(国際宅配便会社)でも同様の手数料があります。

具体的な目安は、次の表にまとめました(🟡金額は国・サービス・時期で変動する参考値です)。

正確な金額は各社の公式サイトでご確認ください。

 

配送事業者(例) 通関手数料の目安
Royal Mail(イギリス) 8ポンド
PostNL(オランダ) 10〜16ユーロ(🟡参考値)
An Post(アイルランド) 約7ユーロ(🟡参考値)
クーリエ(DHL・UPS等) 数ユーロ〜20ユーロ超(🟡参考値)

※これらは税金ではなく、各社のサービス手数料です(時期・国・サービスで変動)。

 

加えて、eBayの画面に出る「import charges(輸入諸費用)」にも注意が必要です。

ここには税金だけでなく、通関代行料や立替手数料が含まれることがあるとeBay自身が説明しています。

具体的には、通関業者の代行料・税金の立替手数料・商品分類の手数料などです。

つまり「税金」と「手数料」を分けて理解しておくことが、バイヤーへの説明力につながるんです。

私はバイヤーから問い合わせが来たら、まず「それは税金ですか、配送会社の手数料ですか」を切り分けるところから始めています。

 

IOSS番号の電子連携で二重課税を防ぐ

IOSS番号を電子連携で送信して二重課税を防ぐイラスト

セラーの最重要実務がこれです。

eBayがVATを徴収したEU向けの注文では、eBayのIOSS番号を配送会社へ電子的に連携する必要があります。

 

注意したいのは、ラベルに番号を書くだけでは足りないという点です。

eBay公式も、IOSS番号は電子データとして配送会社へ共有する必要があり、ラベル記載だけでは機能しないと案内しています。

連携が漏れるとEU側で「VAT未納」と扱われます。

その結果、バイヤーが配達時にもう一度VATを請求される恐れがあります。

 

具体的には、日本郵便なら国際郵便マイページの発送手続きでIOSS番号の入力欄に登録します。

一方FedExやDHLでは、電子書類の税番号欄にIOSS番号を入れる方式です(🟡入力画面の仕様は変更される場合あり)。

ノルウェー向けのVOEC番号も考え方は同じで、荷物への記載と配送会社への電子連携をセットで行います。

また、Seller Hub(eBayのセラー管理画面)の注文レポートでも、IOSSやVOECの税番号を確認できます。

 

二重課税を防ぐIOSS連携の3ステップ

1 eBayがVATを徴収した注文か確認する

注文レポートでIOSS/VOEC番号の有無をチェック

2 表示された番号を発送システムに入力する

日本郵便マイページやFedEx・DHLの税番号欄に入力

3 電子データとして配送会社へ送信する

ラベルに書くだけでは機能しない。電子送信まで完了させる

 

私は発送前のチェック項目に「IOSS連携済みか」を入れて、毎回指差し確認しています。

地味な一手間ですが、二重課税クレームを防ぐ効果は抜群ですよ。

 

DDPとDAPの違いと配送方法の選び方

関税を「誰が払うか」を決めるのが貿易条件です。

DDP(関税元払い=売り手負担)とDAP(着払い=買い手負担)の2つを覚えれば十分です。

 

よく聞く「DDU」は、実は現行のインコタームズ(国際貿易条件の国際ルール)では廃止済みです。

そして今は、DAPに統合されています。

JETRO(日本貿易振興機構)の解説でも、DDUは旧条件でDAPがその後継と整理されています。

今もeコマースの現場で俗称として残っているだけなんです。

 

比べる点 DDP(関税元払い・売り手負担) DAP(着払い・買い手負担/旧DDU)
到着時の支払い 原則なし あり得る
受取拒否リスク 低い 残る
価格設計 税・費用を価格に織り込む 商品代が中心

 

では、どちらを選ぶべきでしょうか。

DAPは売り手の負担がない反面、バイヤーが到着時に税金と手数料を払うため、受取拒否のリスクが残ります。

一方、DDPやそれに近い仕組みなら、バイヤーは追加請求なしで受け取れるので、高価格帯ほど満足度が上がります。

ただし、DDPでは売り手が負担する税金や通関費用を価格や送料に織り込む設計が前提になります。

負担を見込まずにDDPを選ぶと、売れたのに赤字という事態になりかねません。

迷ったら、まずは少額帯の商品で前払い型の仕組みを試し、バイヤーの反応を見ながら広げていくのが安全です。

 

たとえばeBay International Shippingでは、バイヤーが輸入費用を購入時に前払いできます。

ほかにも、輸入費用を前払いできる配送サービスがあります(🟡対応国・条件は時期により変わります)。

経済的にはDDPに近い「追加請求なし」の体験を作れるので、ヨーロッパ向けでは積極的に検討したい選択肢です。

配送条件の設定で赤字を出したくない方は、ebayのDDPとDDUの使い分けと関税対応もあわせてご確認ください。

 

VAT二重請求と返品時の返金対応

二重請求の明細を窓口で相談し返金対応を進めるイラスト

もしバイヤーから「税金を二重に取られた」と連絡が来ても、慌てなくて大丈夫です。

実は、返金の窓口は「誰が徴収したか」で決まります。

 

たとえばeBayが購入時に徴収したVATと、二重払いになったとします。

その場合はまず、eBayの税務インボイス(注文履歴から確認できる請求書)をそろえます。

そして配達時に払った現地の領収書も用意して、eBayへ連絡します。

一方、税関や配送会社へ到着時に払った分の誤請求は、現地当局や配送会社への還付申請が窓口です。

ですから、セラーが自腹で返金する前に、まず正しい窓口へ証拠を出すのが鉄則です。

 

返品の場合も同じ考え方になります。

eBay徴収分のVATは返金時にeBay側で処理されますが、輸入時に税関へ払った税金は自動では戻らないことがあります。

その場合、バイヤー自身が現地で還付手続きをする必要が出てきます(🟡還付の可否・手順は国により異なります)。

 

こうしたやり取りを減らすために、私は商品説明にひと工夫しています。

具体的には「関税や手数料は購入者負担になる場合があります」という一文を入れています。

事前にひとこと伝えてあるだけで、バイヤーとの会話が驚くほど穏やかになりますよ。

 

つまり「返品すれば税金も全部戻る」とは限らない、というのが実務の前提です。

荷物が税関で止まってしまった方は、ebayで税関保留になった荷物の返送回避策もあわせてご確認ください。

 

よくある質問(FAQ)

EUのVAT番号を持つ事業者に売るとVATはどうなりますか?
仕組み
結論から言うと、バイヤーが有効なEUのVAT番号を登録している場合、eBayはVATを徴収しません。
このときの税金の扱いは、事業者であるバイヤー側の手続きに委ねられます。
個人のバイヤーとはルールが変わるので、注文情報にVAT番号があるかを確認しておくと安心です。
お酒やたばこもeBayがVATを徴収してくれますか?
費用
いいえ、酒類やたばこなど物品税がかかる品目は、eBayのVAT自動徴収(IOSSの仕組み)の対象外です。
これらは通常の輸入手続きで税金がかかり、国ごとに追加の規制もあります。
そもそも出品できるかも含め、必ず各国の規制を事前にご確認ください。
複数の商品をまとめて1つの箱で送ると税金は得ですか?
費用
一概に得とは言えません。
イギリスの135ポンドは1つの荷物の合計額で判定されるため、まとめると閾値を超えて到着時に課税されることがあります。
さらに2026年7月以降のEUでは、品目の種類ごとに3ユーロの関税がかかるので、種類が増えるほど関税も積み上がります。
免税にするため「ギフト」と書いて送ってもいいですか?
手続き
いいえ、やめておきましょう。
ギフトの免税(イギリスは39ポンド以下)は個人から個人への贈り物だけが対象で、eBayで購入された商品は含まれません。
実際より安く申告したり商品をギフトと偽ったりすると虚偽申告になり、トラブルや罰則の原因になります。

【まとめ】ebayのヨーロッパの関税は分けて考えれば怖くない

ここまで解説したとおり、ebayのヨーロッパの関税は「分けて考える」だけで一気に整理できます。

VATか関税か、EUかイギリスかその他の国か、150ユーロや135ポンドを超えるかどうか。

この3つの分かれ目を意識すれば、もう情報の迷子にはなりません。

 

そして2026年7月からは、EU向けの少額荷物に3ユーロ関税という新しい要素が加わります。

変化はありますが、先に知っていれば備えられるものばかりです。

 

この記事の要点

  • 関税とVATは別物で、eBayが自動処理してくれるのは主にVAT
  • 分かれ目はEUが150ユーロ・イギリスが135ポンド・フランスは金額不問の例外
  • 2026年7月からEUで品目カテゴリごとに3ユーロの関税が始まる
  • IOSS番号は配送会社への電子連携が必須で、ラベル記載だけではNG
  • 関税ゼロでも通関手数料はかかるため、税金と手数料を分けて説明する

 

ヨーロッパは、税金の仕組みを知っているセラーから順に安心を届けられる市場です。

まずは次のヨーロッパ向け注文で、IOSS番号の電子連携と「どの国のルールか」の確認から始めてみてください。

小さな確認の積み重ねが、世界とつながる販売を安心して続ける力になりますよ。

▼この記事を読んだ人は、次にこの記事を読んでいます
関税は「いつ・誰が・どのタイミングで」支払うのか、DHL・FedEx・EMSの配送業者別にまとめています。

次に読む
ebayで関税をいつ払う?DHL・FedEx・EMSの請求タイミング解説

こんにちは。eBay Export Chartbook運営者のJです。 ebayで関税をいつ払うのかって、気になりますよね。 配送業者ごとに対応が違うので、初めての方は慌ててしまうものです。 &nbs ...

続きを見る

-関税・税金・決済管理